【団塊ひとり】ジャーナリストとスパイとの差

 今朝の朝日新聞の社説を読んだ。「外務省の広報―報道の自由を損なう」という一文だ。「日本政府は外国メディアに不当な圧力をかけているのではないか。そう疑われても仕方のない事態が起きている。」として日本政府を批判している。

 朝日新聞の記事がもし本当なら、報道機関に高圧的な態度をとることが、日本の国益や信用を落とすことに気づかない外務省の体質は戦前から変わっていないことになる。朝日新聞のようなプロバガンダ発信の「報道機関」に攻撃の契機を与えるだけでも、国家的な犯罪だ。

 外務省や政府は中国や韓国のやり方を見習うべきだ。自らは表に出ず。朝日新聞毎日新聞のような「報道機関」に自分たちの主張を代弁させる。アホな官僚や政治家が新聞社を攻撃すれば、してやったりと自分たちの宣伝活動を始める。残念ながら諜報活動において日本の拙劣なやり方はめにあまる。

 欧米の日本脅威論は「日本海海戦」の大勝利から始まった。が、それに気づき行動に配慮する政治家やマスコミ人はいなかった。国民も目先の勝利に有頂天になって一等国意識を振り回し始めた。日本海大海戦のような華々しい勝利こそないが、経済的発展を遂げ経済大国の確信を得た中国は、ちょうど日本海海戦で勝利した日本の状況によく似ている。が、熱にのぼせ上がるのではなく冷静に判断しなければ成功は望めない。真珠湾を攻撃されたアメリカは、冷静に日本軍の動きを判断して、自分たちの勝利を確信しただろう。日本軍は戦艦ばかりを攻撃し、燃料タンクの攻撃はしなかったからだ。

 今でも憲法を改正すれば、「徴兵制」が復活すると言って国民に不安感を与える政党や報道機関があるが、「徴兵制」という古くさい制度を持ち出すことで、自分たちの古い思考をさらけ出していることに気づかない。いや、もしかしたら気づかないふりをしているのかもしれない。

 高度に発達した武器を使用する近代的な「軍隊」にとって、その機能を活用できない能力しかない人間は足手まといにしかならない。そして兵器はロボット化、すなわち無人化の方向に進んでいる。高度な武器を生産できる日本にとって徴兵制など無意味な存在であるのは明らかだ。

 中国が何を考えているのか、日本をどのように教化しようとしているかは朝日新聞のような「ジャーナリズム」を見ているとよくわかる。スパイは必ずジャーナリストを装う。戦前、朝日新聞社記者の尾崎秀実から国家機密を入手していたソビエトのスパイ、ゾルゲの肩書きはドイツのフランクフルター・ツアイトゥング紙の記者である。彼らは正体がばれそうになれば、ジャーナリストの特権をちらつかせる。しかし、現在でも「新聞記者」の肩書きが、真のジャーナリストであることを示す保証はない。

 が、素直な日本人は「ジャーナリスト」という肩書きに弱い。「振り込め詐欺」の犯罪者も公的機関を装って高齢者をだます。そして肩書きに弱い人々はそれに騙されてしまう。この悪循環を断ち切らねば日本の再生はない。が、そのための論理的な思考が政治家や国民にあるとはとても思えない。