団塊ひとり】従軍慰安婦問題と池田信夫氏のブログ

 橋下市長の発言が話題を呼んでいるが、いわゆる「従軍慰安婦問題」を考えるとき見落としてはいけないブログがある。西岡力氏の解説を紹介した「慰安婦問題の「主犯」は福島瑞穂弁護士」と題された池田信夫氏のブログだ。http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51804890.html 本格的な書籍には手を出しにくい人も、ブログなら簡単に読むことが出来るのでぜひ目を通して欲しい。

 ブログの「解説」によれば「慰安婦問題の特異性は、日本人が創作した話」という点だ。動機は戦争や人権をネタに儲けようとする下心である。その演出者が吉田清治であり朝日新聞であり福島瑞穂弁護士だ。

 池田氏のブログによれば福島瑞穂氏や高木健一氏などの弁護士が韓国に渡って原告になる元慰安婦を募集した結果「見つけた」のが金学順という女性で、彼女はNHKで証言した。彼女を「NHKに売り込んできたのが福島氏」で、「目的は、軍票(敗戦で無効になった)で支払われた給与の賠償だった。」そうだ。

 「性奴隷」という認識と、給料未払いに対する弁償とはあまりにも違う感覚だ。奴隷は給料はもらえないし、当然のことながら「売春婦」は身体を提供した対価を要求できる。

 池田氏のブログによれば「朝日新聞の植村記者がこれを(吉田のストーリーにそって)「女子挺身隊として強制連行された」と誤って報じた」ために、「強制連行説」が世界に広まったらしい。ちなみに原告団長は植村記者の義母で「のちに裁判費用を詐取したとして逮捕され、行方」をくらましている。ちなみに朝日新聞は教科書問題でも「誤報」し国際問題になった事があり、「誤報」なのか意図的な「曲解」なのか第三者には分からない。

 女子挺身隊は、第二次世界大戦中の1943年に創設された、14歳以上25歳以下の女性が市町村長・町内会・部落会・婦人団体等の協力により構成していた勤労奉仕団体(ウイキペディア)であり、慰安婦とは全く関係がない。が、朝日新聞の報道により朝鮮人はこれを(意図的に?)「混同」してしまった。

 ブログでは「この騒動で福島氏は「人権派弁護士」としてマスコミにデビューし、国会議員にもなったが、彼女のおかげで日韓関係はめちゃくちゃになった。」と結んでいる。(本来なら彼女の「せいで」と言うべきなのに「おかげ」とあるのは皮肉か?)

 素人の私にはこの話の真偽は判断できない。しかし日本国内でこれほど意見が分かれ、国外で「誤解」されている現状を打破するためにも、日本政府は政治的な政府見解とは別に学問的・実証的な研究を進めて真実を明らかにする努力をすべきだろう。その為には慰安婦問題をさらに複雑化させた河野洋平氏を含めて関係者を一度国会で証人喚問する必要がある。

 安倍首相は国防軍憲法96条から一時離れて、「慰安婦問題」について世界に問いかけてはどうか。ただ、今はその時期ではない。時期を見て国家的なプロジェクトを立ちあげ、正しい情報を世界に発信すべきだ。すでに中国や朝鮮は自分たちの主張を論文で発表し、韓国系議員を中心にアメリカ議会に働きかけアメリカの世論を有利に導く努力をしている。最近のトヨタのリコール問題を煽ったのも韓国系議員だった。最終的にはトヨタの車に欠陥がないことが証明されたが、トヨタの収益は落ちその間に韓国車の販売が躍進した。このようにあらゆる手段を使って日本追い落としを画策している朝鮮の行動にあまりにも日本人は無自覚過ぎるのではないか。。

 問題は慰安婦や南京に関して「日本の立場」を主張する書籍がほとんど英訳されていないことだ。
これでは日本の主張は世界に伝わらない。尖閣も同様だ。例え海外の記者を集めて会見しても、意見広告をだしても、固定された先入観を持っている記者を説得するのは困難だ。固定観念を持った記者たちは、自分の頭の中にあるストーリーに従って主観的な記事を書く。いっそ記者に語りかけるよりもユーチューブなどを利用する方が正確だと思えるほどだ。

 正攻法は、世界の大学や高校などの図書館、報道機関などに日本の学問的な研究成果を基本的な文献として、その土地の言葉に翻訳して送り込むことだ。研究者が常に参照できる体制を整えることが大切だ。ブログやユーチューブも残念ながら日本語による発信が多いので主張は世界には届かない。
優れた翻訳家が必要だ。翻訳および出版作業は国家プロジェクトにするべきだ。

 その国家的プロジェクトには官僚、人の魂を動かす力を持った芸術家にも参加してもらう。迎合ではなく厳しい批判も受け入れ基本は事実に基づく判断を押し通す。ごまかしではなく正論で行くべきだ。そして出版には金を惜しまないことだ。これは一種の情報戦だから。

 予算が足りないならば国民の有志の寄付を募れば良い。そして寄付行為は減税の対象にすべきだ。尖閣の例もある。多くの浄罪が集まるはずだ。それを元手に慰安婦問題、南京問題等に関して中国や朝鮮の主張とは異なる、日本の主張を翻訳し世界に送り出して欲しい。また、映画や漫画を利用して慰安婦や南京の「真実」を積極的に世界に発信するべき時だ。今がその機会だ。

 外国人の記者も集まった橋下市長の会見。悪意に満ちた記者たちを納得させることは出来なかったのではないか。言いたいことは分かる。日本だけが曲解されていることに対する怒りも理解できる。が、今のままの発言では真意は海外には伝わらない。あまりにも世界常識と懸け離れた発言と報道される。

 「慰安婦」は認められないと思っていても、歴史的経緯をだらだら話すため、弁解に聞こえる。
現在では強制の有無に関係なくどのような形でも「慰安婦の存在は認められない。」そう思うならまずその一点を強調すべきだ。

 もはや「慰安婦問題」は歴史問題ではなく現在の政治問題になっている。政治問題であるから、いくら歴史的な「真実・正義」を訴えても通用しない。政治の力学では歴史的な「真実」などは必ずしも重要な要素にはならない。

 英語を話せないのなら、せめて橋下市長のツイッターを正確に英語で文章化できる人を側に置くべきだ。日本人記者を対象とし日本国内だけに通ずる言葉だけで話すのではなく、英語による発信をもっと強化すべきだ。限界を感じているのなら解消する努力を怠っている努力不足を反省すべきだ。

 橋下市長はもう少し戦略を練って会見を開くべきだった。日本の記者を相手にするような軽い気持ちで会見したのではないか。激しい批判に晒されている橋下市長に、あえて捲土重来を期待する。