【団塊ひとり】仏で脱原発派が77% 原発大国で異例の結果 国民的な議論が必要だ

団塊ひとり】仏で脱原発派が77% 原発大国で異例の結果

 例によって就寝前にネットを見ていると、共同通信の次のような記事が目についた。

仏で脱原発派が77% 原発大国で異例の結果
【パリ共同】5日付フランス週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュが公表した世論調査によると、同国の回答者の計77%が、原発を即時もしくは段階的に廃止すべきだと考えていることが明らかになった。
 電力需要の8割近くを原発が担うフランスで、これほど脱原発の機運が高まったのは異例。脱原発団体のスポークスマンは「世論は、福島第1原発事故を受けて明らかに原発の重大なリスクを意識している」と述べた。
 今月1〜3日に有権者1005人を対象に行われた調査によると、原発を即時停止すべきだとした回答は15%。25〜30年かけて段階的に廃止すべきだとの回答は62%に上った。原発継続派は22%にとどまった。(共同通信より)

 フランスは世界有数の原発大国である。そのフランスでもこのような結果が出たことに驚く。団塊世代の私は原子力発電に対して今まで否定的ではなかった。何より鉄腕アトムは原子の力で動いている。きちんと接すれば原子力は安全なものと信じてきた。

 反核運動や反原発運動に対して、私は好意をもてなかった。なぜなら彼らの多くは単に原子力発電に反対するわけではない。最終的に原子力発電所をなくすことによって日本が永遠に原爆を製造できない国にすることが目的である。そんな政治的な思惑が見えることも原発反対運動家に対して批判的であった理由である。しかし今回の福島の事故で少し考えが変わりはじめた。

 原発が安全か否かは、素人である私には判断できない。しかし福島以外にも地震津波に襲われた原発があるのに、福島ほどの大きな事故に至っていないのを見ると、原発すべてが危険であるともいえないようだ。ただそれにも関わらず、私が慎重になり始めたのは、原発それ自体やそれに携わる技術者に対する不信よりも、東京電力の経営陣や、政府の隠蔽体質が原因である。これは恐ろしい。そしてますますひどくなる、ハトヤマ氏やカン氏の虚言癖。これではいくら安全と言われても信用する方が難しい。

 莫大な補助金で、一時その地方や個人が経済的に潤うことがあっても、ひとたび発生すれば数十年にわたって大きな影響をもたらし、すべてを失う事になるかもしれない原子力発電。その影響の大きさを考えれば、電力会社や政府や一部の専門家に任さず、いちど国民的な討論を経て態度を決定する時期に来たように思われる。