【団塊ひとり】復興庁。復興特区は経済特区だけではなく政治特区も考えられないか。

団塊ひとり】復興庁。経済特区(復興特区)だけではなく政治特区も考えられないか。

 ものすごい夢を見た。汗でシャツがぬれ雑巾のようになっていた。あまりにも生々しく臨場感がありすぎて、今でも夢だったとは信じられないくらいだ。

 NHKスペシャル「復興はなぜ進まないのか」を見ていたときである。
 民主党の閣僚会議の場面でカン総理が枝野官房長官に話していた光景が流された。

カン「枝野君、君には感謝しているよ。君の発言を聞いていると本当に実行できそうな気持ち になってくるよ。国民も君を信頼しているようだし、けっこうけっこう。でもね、本当に  実行してくれたら困るよ。震災復興は出来るだけ慎重に慎重に。あまりに早く目処が立ってしまったら本当にやめねばならないからね。政治家は何より言葉に責任を持たねばならない。これは今回の不信任案を協力してつぶしてくれたハトヤマ君も私も、常に心がけていることだ。わかっているだろうね枝野くん。市民活動家出身の私にとって言葉は力であり、  命なのだから。」

枝野「もちろんでございます。なにしろ私は総理のこだまであると自負いたしておりますから。
   いま選挙をすれば民主党がどうなるか、それがわからぬ私ではございません」

カン「東北は明治以来4回も大きな津波に見舞われている。それでも同じ場所に家を建てている。国民はそんな事実を無視して私を責める。復興が遅いと言っても、どうせ金を出しても同じ所に家を建て、やがて同じ災  害が起きる。無駄金とは思わんかね。それよりも子供手当を支給する。選挙民に金をばらまく。これが自民党が長期政権を続けてこられた大きな理由だ。民主党はこれこそ学ばねばならない政策だ。しかし、これほど努力している私が視察に出かけても誰もありがたい顔をせず、文句ばかり言う。東北の人間は実に失礼だ。」

枝野「ごもっともでございます。」

カン「私はマスコミには不信感しか抱けない。なぜ私が隠蔽体質なのか。私は自分の持っている知識をすべて投げ出しているのだ。私ほど誠実な者はない。尖閣諸島だってそうだ。那覇  の検察庁に命令して中国人の船長を解放したけれど、中国との関係を良好に保つためにほかに方法があったとでも言うのかね。あれほど高度な政治的判断を、知能の低いマスコミ記者は理解できていない。 ビデオを違法に放映した海上保安官を英雄扱いするマスコミもある。この国の民意の低さは絶望的だね。ともあれ後の歴史は私を名宰相とたたえるとは思うが。」

枝野「ごもっともでございます。」

カン「中国や韓国の首脳を福島に呼んだことももっと誉められてもよい。ただ、あれで世論の論調も変わると思ったのだが、少し期待が外れたのは意外だった。これからあのとき返礼として約束したことを実行しなけれ  ばならないが、宮内庁には働きかけてくれているだろうね。」

枝野「ご安心ください。すでにプロジェクトは動いております。」

 ここで目が覚めた。TVを見ながらウトウトしてしまったようだ。だがあまりに生々しかったので妻に聞いてみたら、そんなシーンなど無かったという。妻の私を見る目が多少冷たい。「世界一のばか」を見るような目つきだ。よだれでも流していたか、いびきをかいていたのかも知れない。

 「東日本大震災の復興に向けた基本理念や「復興庁」創設を定めた復興基本法案は10日午後の衆院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、衆院を通過する。参院では13日に審議入りし、17日にも成立する見通しだ。」(読売新聞より)

 10万人以上の死者を出し、首都東京が壊滅状態にもなったにも関わらず、帝都復興院が設置され、総裁の後藤新平により帝都復興計画が提案されたのは関東大震災の約4週間後であった。これほど情報が発達しすべてが近代化されているにも関わらず、未だに復興の「めど」が立たないのはなぜか。まさか先ほどの話は「正夢」だったのではないか・・・・そんなことがあるはずはない・・・・・しかし・・・・

 これほどの大災害にも関わらず、政治家には非常時であるという認識が少ないのではないか。身近な被災として認識する気持ちが永田町の政治家には希薄なのではないか。

 これを解消する有効な方法として、私は政治家の家族の誰かを被災地に強制的に移住させることを提案する。それもその政治家が本当に大切に思っている人間や愛している人間に限定すべきだ。そうすれば絶対に復興の速度は速まる。そして復興庁は東北におき、そこを中心にしばらく東北全体を政治特区化してみてはどうだろう。大連立ではなく、現行の法律や行政上の手続きもいっさい白紙にした政治特区を提案したい。

 そこでは具体的施策に熟達した人間を登用する。その人たちにすべての権限を集中させる。構成員は官僚はもちろん民間からも積極的に登用する。現場をよく知る知事に期限付きの国の権力の一部を委譲してもよい。ただし口先だけの政治家、特に現場に疎い国会議員には責任だけをとる役目に回ってもらう。復興を迅速に進めるためには今が非常時であるという認識を徹底させ、平時の行政権や司法権さえも復興庁に集中させる 。現在の法律が新しい事態に対処できない、新しい法律を作るのには時間がかかるということを口実にさせない。新しい法律の成立を待っていれば、助かる人も助からない。

 義援金の配布さえも遅滞している異常事態である。新しい法律を作るのに時間がかかるのならば、その法律を一時停止して、超法規的な運用を考えればよい。行政手続きが複雑であればそれにとらわれず、現場に適応した柔軟な運営を許可すべきだ。平時の常識に拘束されてはいけない。今が非常時だと考えて復興対策を進めるべきだ。そのためには、いわば戒厳令的な政策に基づく現実的な復興対策が必要であると思われる。与野党を問わず政治家が復興の邪魔をすることを許してはいけない。