【団塊ひとり】大韓航空機、竹島上空でデモ飛行…政権は韓国側に形式的な抗議

 恐れていたことが発生した。震災の混乱、国政の「混乱」に乗じた火事場泥棒的な行為が本格化してきた。
 
大韓航空機、竹島上空でデモ飛行…韓国側に抗議
 松本外相は24日の記者会見で、大韓航空機が16日に竹島上空でデモ飛行を行ったことについて「竹島の領空を侵犯したことは、我が国の竹島の領有権に関する立場に照らして受け入れられない。極めて遺憾だ」と述べた。
 また、21日に在韓日本大使館を通じて韓国側に抗議したことを明らかにした。
                      (2011年6月24日読売新聞WEBより)

 団塊の世代である私は大韓航空ボーイング747が、ソビエト連邦の領空を侵犯してソ連防空軍の戦闘機に撃墜された事件(1983年9月1日)をはっきりと覚えている。領空侵犯がどのような結果をもたらすか韓国が知らないはずはない。あの事件では乗員乗客合わせて269人全員が死亡した。あの撃墜では日本人やアメリカ人も多く犠牲になっている。その経験を持っている韓国が「領空侵犯」をあえてしたということは、よほど日本を見くびったか、あるいは日本国内の親韓勢力と共謀して既成事実を積み重ねようとしたかと思われる。

 松本外相は「在韓日本大使館を通じて韓国側に抗議した」とあるが、信じられない。もともと民主党政権は韓国人に選挙権を与えようとしていたり、韓国人から違法献金を公然と受け取ってなんら恥じるところがない閣僚がいる。それどころか竹島は韓国領だと公言する国会議員も多く存在する。私には、民主党政権がいよいよその本当の正体を表してきたようにしか思えない。今回の「領空侵犯」はカン政権と韓国との共同謀議のにおいすら感じられる。事件発生後のあまりにも遅すぎる「抗議」は明らかに形式的なもので民主党の真意ではなかろう。

 民主党政権が続く限り類似の事件はこれからも頻繁に発生する可能性がある。その意味で米軍の「トモダチ作戦」の深慮遠謀が私の中ではますます明確になってきた。同盟とはどういうものか、真の「トモダチ」とはどういうものかをあれほど明確に示した「作戦」はない。

 3.11は日本が、地球の自転に影響を与えるほどの未曾有の大災害を受けた悲劇の日であるが、同時に外国からの侵略の危険にさらされた危険な瞬間でもあった。日本の国防に携わる「自衛隊」の半分近くの兵力を災害対策に割いたのはやむを得ないことではあったとしても、そのことで国防を危うくしたことは事実である。あの時日本は明らかに、無防備に近い状態であった。そのあなを見事に埋めてくれたのが米軍である。

 それにしても「トモダチ作戦」という、ある意味でうさんくさい名前の下で行われたアメリカ政府のやり方は見事だった。災害支援という、反対の出来ない名目を全面に出すことでアメリカ軍の平和的側面を日本国民の心に焼き付けることに成功した。、琉球新報などは「援助活動を利用し、県内移設への理解を日本国内で深めようとする姿勢が色濃くにじむ」と批判したものの、在日米軍がいかに頼りになるかは多くの日本人、特に被災地の人々には印象づけられた。同時に米軍は、破壊された日本本土に対する「上陸演習」を堂々と実行できるという希有な体験に成功している。通常であれば絶対に実行できないことだ。米軍は今後も日本の港湾が外国や、国内の反日勢力によって破壊されたとしても、それに対応出来る貴重な経験を手に入れたと思われる。

 また、津波に流された日本国民の捜索をしながら、日本近海に侵攻している可能性のあるロシアや中国の潜水艦に対する警戒を行うことが出来た。いわば震災の混乱に乗じた外国の侵略を未然に防ぐ役割を果たしたといえる。これが同盟というもののあるべき姿であろう。

 アメリカに対する私的な好悪の感情はあっても、アメリカが災害に対して日本に尽力してくれた事実は認めざるを得ないだろう。米軍の活躍であれほど反対の多かった「思いやり予算」もすんなり国会を通過してしまった。「トモダチ作戦」の予算が8000万ドル(約68億円)、それに対して「思いやり予算」は毎年1881億円の多額にのぼる。米軍の得たものは実に大きい。

 大事にあたっては的確に判断し迅速に行動する。国益や実利を基本に動きながら、それを相手に意識させない。これが大人の国のやり方だ。これが政治というものである。

 「巧言令色少なし仁」という格言がある。与野党を問わず日本の政治家には該当する人が多いのではないか。口先ばかりで、実行しない政治。真実は隠蔽し甘い言葉で人心をつかもうとする。しかし、もっとも反省すべきなのはそれを見抜けない我々だろう。高速道路無料化をはじめとする民主党政権のマニュフェストの甘い言葉。しかしそれが消費税をはじめとする大増税の誘い水であったことにそろそろ気づいても良い頃ではないだろうか。