【団塊ひとり】 復興特区法案が衆院通過=今国会で成立へ  それなのに玄蕃大臣の無駄遣い

 復興特区法案がやっと衆院を通過した。産経新聞の記事を引用する。

 東日本大震災の被災地で規制緩和や税財政上の優遇措置を認め、復興を支援する復興特区法案が29日、衆院本会議で可決。参院の審議を経て今国会で成立する見通し。

 法案は震災で「特定被災区域」などに指定された11道県の222市町村が対象。被災自治体が策定した復興推進計画などを基に、国が認定する。漁業権を民間企業にも付与する規制緩和などが認められ、農地転用など土地利用手続きが簡素化される。政府は年内に施行し、今年度中の運用開始を目指している。

 政府提出の同法案は、民主、自民、公明3党で修正し、被災自治体に配分される復興交付金の使途の拡大や、被災自治体が規制緩和の要望などの意見書を国会に提出できる制度を追加した。本会議での採決に先立つ衆院東日本大震災復興特別委員会で全会一致で修正案が可決した。(産経新聞より)

 関東大震災では帝都復興院が、震災翌日の2日より、帝都復興省案とともに検討され、4週間後の27日に山本権兵衛内閣により設置されたことを考えると、その遅さに唖然とするばかりだが、ともあれこれで東北の復興が本格的な軌道に乗ることを祈るだけだ。しかし・・・・。

 東北だけではなく日本全体が沈鬱な「閉塞感」に覆われている。それなのに耳を疑うような増税論議、無駄排除のはずの「仕分け」作業も単なるパフォーマンスに過ぎず、後で密かに復活していたという許せない虚偽。どうしようもない既成政党の劣化。その中で遅ればせながらの復興特区法案の成立。ああ、やっとと思っていたらネットで次のような記事を見つけて思わず声を上げてしまった。記事の一部を引用する。

 23日日帰りで中国を訪問した玄葉大臣。大新聞テレビは「外相訪中 異例の厚遇」などとヨイショしていたが税金の無駄遣いもいいところだ。飛行機代に1200万円も使っていた。霞が関関係者がこう言う。

「頻繁に外国を訪問する外相が、隣国の中国に行くのにわざわざ飛行機をチャーターするなんて聞いたことがない。定期便を使うのが当然です。チャーター機を使うのは、定期便の飛ばない辺境の国へ行く時か、邦人救出など緊急の時というのが常識ですよ。定期便なら羽田―北京往復は、正規料金でも26万円。1200万円もかけるなんて異常ですよ。贅沢すぎる。民主党は『財政が破綻する』と国民に増税を強いているのに、大臣が無駄遣いしているのだからメチャクチャです」

 さすがに外務官僚もチャーター機を使うことに難色を示したらしいが、玄葉大臣のたっての希望だったという。そもそも、この時期に訪中する必要があったのかどうか。つい最近、野田首相がAPECで胡錦濤主席と会ったばかりだし、12月の訪中も決まっている。

政経塾出身の玄葉大臣は、エリート意識が強いナルシシスト。外相になったらチャーター機くらい当たり前と思っているのでしょう。やっかいなのは、政経塾の同期で、同じ当選6回の前原誠司(49)に強いライバル意識を持っていることです。前原政調会長が外交に口を挟むと反発して暴走しかねない。チャーター機を使って訪中したのも、存在感を誇示したかったのでしょう」(民主党事情通)
  (日刊ゲンダイ2011年11月25日掲載より部分引用)

 これが本当なら、玄蕃大臣は今の日本の現状を全く直視していないといえる。いや、現状を十分に把握しながら、なおかつこのような行動に出ているとしたら、もはや政治家としての資格はない。首相をひんぱんに変えるな、震災復興のさなか途中で政権を変えるなという意見もある。しかし、このままで本当に日本は再生できるのか。さらに沖縄防衛局長の沖縄に対する信じられないような暴言。本当に民主党政権にこのまま任しておいても良いのだろうか。「過ちて改めざる。これを過ちと謂う」という言葉がある。「過ち」をそのままにしておく危険性に我々はもっと敏感になっても良いのではないか。