【団塊ひとり】NHKの朝ドラヒロインの役割 純と愛の視聴率 第二の「平清盛」か?


 NHKの朝ドラ「純と愛」の視聴率が落ちてきたそうだ。何回も再放送があり、NHKの番組CMも頻繁に行われているのに何故なのだろう。朝ドラの視聴者の多くは家事をしながら、あるいは出勤の準備をしながらTV視聴している可能性が高い。NHK朝ドラの時間帯は時計代わりにTVをつける人が多いので、ある程度の視聴率は稼げる時間帯だ。そして視聴率は「猫が見ていても視聴率」としてカウントされるので制作者が「質の高い作品」として認知されたと勘違いする可能性も大きい。

 「純と愛」の脚本家遊川和彦氏は、最終回で40.0%の視聴率をたたき出した「家政婦のミタ」や、「さとうきび畑の唄」「女王の教室」の脚本を担当した「実力派」だそうだ。「さとうきび畑の唄」は文化庁芸術祭大賞、「女王の教室」は向田邦子賞を受賞したそうだが、あいにくどれも見ていない。

 8日は結婚式会場から「花婿」を連れ出してしまう演出だったが、男女の役割が逆転しただけで
これは映画「卒業」でダスティ・ホフマンが花嫁を連れ出す演出と全く同じだ。「家政夫」になりたがっている「愛」も男女の役割を逆転させているだけで、ヒロインに献身的という点では「主人」に「献身」を要求された古い良妻賢母のパターンである。今の所ぎゃあぎゃあ騒がしいだけとしか映らないヒロイン、常識の反対を敢えて描くという類型的な舞台設定の「純と愛」を見て本当に文化庁芸術祭大賞をもらった脚本家なのかと疑ってしまう。視聴率もかすかに下がってきているようだ。だいいち優しく温和な「おじい」に育てられたはずのヒロインが、どうしてあんなに「がさつ」なのか。熱狂的なファンには冷笑されるかも知らないが私にはわからない。そう思っていたら次のような記事を見かけた。

批判続出のNHK朝ドラ 夏菜は「ミタ」脚本家に潰される(日刊ゲンダイ
 NHKの朝ドラヒロインが批判の矢面に立たされている。「純と愛」で熱演中の夏菜(23)だ。
 初回視聴率18.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とまずまずの出だしだったが、最近は16%台の回もあるなど下降気味。が、数字以上に朝ドラ愛好家の“ヒロイン批判”が加速し、「口の利き方がひどい」「ギャーギャー騒々しい」「イライラする」と一般紙の読者欄でも取り上げられ、散々なのだ。(中略)前出の松尾氏は「朝ドラの歴史を覆したいという遊川氏の本気度がうかがえます」と言うが、矢面に立たされるのは夏菜だ。保守的な朝ドラファンとスパルタ脚本家にはさまれて、潰れなければいいが……。(日刊ゲンダイ

 同感だ。時々会う友達も女性はほとんどが不愉快な印象を語っていた。「朝ドラの歴史を覆したい」という意気込みは良いが、大河「平清盛」のように空回り状態にならなければいいのだが。