【団塊ひとり】「介護疲れ」妻殺害の男逮捕

 どう言えばよいのか。「介護疲れ」妻殺害の男逮捕の記事。年齢を知って複雑な気持ちになった。容疑者が96、被害者が91である。老人ホームではなく自宅で介護したいとの妻への思いが、結果として悲劇をうみだしたのだろうか。それとも金銭的な問題で入所出来なかったのか。

【引用】
 高齢で寝たきりの妻を殺害したとして、奈良県警郡山署は9日、殺人容疑で、同県大和郡山市冠山町の無職、美濃田作次容疑者(96)を逮捕した。「介護に疲れた。自分が先に死ねば寝たきりの妻が困ると思い、一緒に死のうと思った」と容疑を認めているという。
 逮捕容疑は、8日午後11時〜9日午前0時ごろ、居間のベッドで寝ていた妻、ハギノさん(91)の首を絞め、包丁で切りつけて殺害したとしている。
 同署によると、9日午前に訪問した女性介護士が首に切り傷があるハギノさんを発見。連絡を受けて駆けつけた医師が110番したという。美濃田容疑者の首には自殺を図ろうとした切り傷があった。
 ハギノさんは美濃田容疑者と2人暮らし。2年前から病気で寝たきりとなり、訪問介護を受けていた。
 近所の住民によると、美濃田容疑者はハギノさんを「老人ホームではなく、自宅で介護したい」と話し、食事を食べさせるなどの世話をしていたという。(MSN産経ニュース 2013.2.9)

 世の中には、働くだけの体力があるのに、虚偽の申請をして生活保護を受ける人がいる。保護費を持ってすぐにパチンコ店に駈け込む人間がいる。中国からやって来た人間が数日後には生活保護を受け取ることが出来る大阪市の不思議。役所の係員を中心に、生活保護不正受給事業とでも言うべき構造が生まれているような気がする。

 以前、病院への交通費として総計2億円あまりの金を受け取っていた暴力団員がいた。現在の生活保護支給の最大の原因は、ここにある。生活保護受給者と市役所の役員とタクシー会社が協力すれば、こんなばかげた保護費支給が可能になる点が問題なのだ。同じような事は医療関係でも容易に実施できる。もし生活保護受給者と病院が結託すれば、合法的に医療費という名目でわれわれ国民の血税を不正取得する危険性は存在する。保護費の額を減らすより、貧困ビジネスのようなものが成立できないように考えるべきだろう。生活保護よりも少ない国民年金で生きねばならない高齢者、毎日汗水たらして働いているにも関わらず、保護費よりも少ない額しかもらえない若年者にとっては、保護費の額だけではなく生活保護者の税金無料・医療費無料などはとても納得の行くものではない。

 生活保護を不正受給していた芸人が罪の意識もなくまだTVに出ているのを見ると私はすぐにチャンネルを変える。が、反面、当然受けるべき生活保護を受けることや老人ホームに入ることに強い拒否意識を持つ人がいる。

 虚偽申請で生活保護を受ける人間には強い怒りを感じるが、そうでない人はなぜ申請しないのか、不思議だ。以前生活保護を拒否して餓死した人がいた。プライド?制度に対して理解不足?それとも別の理由があるのか。第三者にはわからないことがあるのだろう。受給してはならないはずの不正受給者、受給すべき資格を持っているのに受給しない、あるいは出来ない人。この不整合を役所は正すことは出来ないのか。出来ないとすればその原因はいったいどこにあるのだろう。