【団塊ひとり】尖閣に無人防御機を配備せよ

 中国が1500機の無人機を配備、かつ輸出大国に向かい邁進中だ。2005年に、ヤマハ発動機株式会社が中国企業に不正輸出した事件があった。技術が転用された可能性もある。日本が技術供与した新幹線技術も中国は自国が「独自開発」した技術として宣伝している。目先の利益を優先する技術輸出には常に危険が存在する。

 戦略の一つとして大量の無人機を使用して、ある地点を集中攻撃させる方法がある。現実的には100機前後の無人機の同時攻撃を防ぐことは困難だ。防御面でも無人機偵察は有効だ。特に尖閣を含む離島の日常的な空中警護に無人機を使用してもいいのではないか。人命を優先する自衛隊は積極的に先進的な無人機を開発し国境に配備すべきだ。あるいは海上保安庁の船舶にも常時装備しカタパルトで緊急発進できるように法整備すべきだ。無人機には水上飛行艇の機能を持たせ、偵察行動だけではなく武器も装備させ、有人警備の間隙を補完できるようにしたい。水上飛行艇の機能を持つ無人機なら船舶からの操縦も可能だし、尖閣の基地から遠隔操縦も出来る。今のようにスクランブルで沖縄から発信することと較べれば、はるかに隊員の体力の消耗は防げる。

 もちろん無人機の火力は小さく、それのみで国境警備が完成することはない。が、無人機への攻撃は日本に対する直接攻撃になるので、相手国も簡単に無人機を撃墜することも出来ない。無人機を常に尖閣周辺に飛ばすことは一定の効果があるように思う。

 F15のような迎撃能力は期待できなくても、尖閣諸島の近辺に飛行船を常時遊弋させるのはどうだろうか。現在のレーダーサイトの補助としても十分な役割を果たせるはずだ。何よりも燃料消費が大幅に減少する。海洋気象ブイにも潜水艦探索ソナーを標準装備し、尖閣近辺に固定装備してはどうだろう。

 もちろん固定ブイには360度の視野を持つ観測カメラを装備し、火山の定点観測のように常時撮影してその映像はネットで国民に開放すべきだ。そのことによって国境警備に対する国民の関心は飛躍的に高まる。宇宙からの偵察衛星によって得られる資料に劣っても宣伝的な政治効果は飛躍的に高まる。

 いかなる理由があっても日本は侵略戦争は実行しない。しかし、現在のように、国境侵犯する不審船や偵察機に対して何も出来ないような状況はあってはならない。国際法で認められた自衛のための小規模な「戦闘」すら否定する現在の状況は、かえって侵略戦争を誘発する危険性がある。

 自分たちの国を国際法の範囲内で普通に守れる国にする。今度の選挙はそれを決定する一面も持っている。世界の国が当たり前に持っている国家防衛の「権利」を日本も持つ。それ以上の攻撃力は持たない。国際法の範囲内での最小限の自衛力を保障する。その為の憲法9条の改正だ。このことのどこが軍国主義の復活なのか。

 先制攻撃が許されない自衛隊は、相手の攻撃があれば人命の損失を覚悟しなければならない。だとすれば、最初の被害が無人機であることは意味がある。無人機であれば貴重な人命を失う確率はゼロだ。反撃はその後ではいけないのだろうか。

 無人機の大量採用が決定したら、全国のゲーマーが有能な戦闘員として登録されるかも知れない。戦争の質が根本的に変化する。憲法9条が改正されたら徴兵制復活という、狼少年的なアナクロに生きている人には理解できない時代が来ている。