【団塊ひとり】福島原発でのあまりに単純すぎる事故に対する不信はどこから来るのか。

 作業員が誤って電源の停止ボタンを押したのが原因で福島第一原子力発電所1号機の原子炉に冷却水を注入するポンプが止まった。福島原発では作業員の判断ミスや点検の不徹底などで、タンクからの汚染水漏れが相次いでいる。いずれも避けることが出来る「基本的」なことで信じられないことだ。

 もしこれが作業員の能力不足ならすぐ配置転換か再教育が必要だろう。が、日本は原発作業員の採用に当たって身元調査や厳しい思想的背景のチェックを行っていない唯一の先進国だ。もし反原発主義者や某国の工作員が混じっていたら、報道されている単純な「基本的ミス」に「工作員」の破壊工作が含まれる可能性はないのだろうか。しかしそんなことを問題にするマスコミは日本には存在しない。私は危険なことだと思う。

 中国人民解放軍が世界最古の兵法書孫子の兵法」を訓練教材として正式採用してから10年近く経つ。その「孫子」はよく知られているように「三軍の親は間より親しきはなし」と言ってスパイを重要視した。「孫子」はスパイの使用法として、敵国の民間人を工作員として働かせる因間、権力の中枢や末端に至る政治家や役人や軍人などを工作員として働かせる内間などさまざまな種類のスパイの必要性を説いている。その方法は金銭やハニートラップや、本人の知られたくない秘密などを利用するものだ。スパイ小説などで基地の近くにある医院(特に性病科)が、スパイの秘密基地として描かれるのも決して荒唐無稽な設定ではないのだ。

 昔、東京のある中央官庁がPCの管理をある大手企業に依頼したことがあった。が、その大手企業は下請けに、その下請けは更に下請けに頼み、その中にオウム関係の「技術者」が紛れ込んでいたことがあった。中央官庁は契約を結ぶ親会社については、ある程度の信用調査をするだろうが、下請けや孫請けまでは目が届かない。これでは国家の秘密や安全は守れない。
 
 先進国のほとんどに存在している「スパイ防止法」の無い日本はスパイ天国だと言われている。団塊の世代の私は、夫人を東京に、子供一人をソ連に残したまま政治亡命したレフチェンコ事件が強く印象に残っている。レフチェンコは戦前のスパイ「ゾルゲ」と同じように東京特派員としてジャーナリストを装っていたが、実際はソビエト工作員だった。彼がてなづけた日本人エージェントは約200名に渡った。事件については多くの書籍が出ているのでそれに譲るが、これに関連して当時与党のN代議士の突然の自殺(他殺説もある)など、当時話題になった事件だ。

 ちなみに彼は自分のエージェントとして9名の日本人の実名を挙げている。それはウイキペディアでも読むことが出来る。

【引用】レフチェンコのエージェント
 レフチェンコは10人前後の日本人をエージェントとして直接操り、代価も支払っていた。そのエージェントとして実名の9人を含め計33人のコード名を明らかにした。実名を挙げてエージェントとされたのは、「フーバー」の石田博英元労相、「ギャバー」の勝間田清一社会党委員長、「グレース」の伊藤茂、「ウラノフ」の上田卓三社会党代議士、「カント」の山根卓二サンケイ新聞編集局次長など9人(肩書きはいずれも1979年当時)。この9人の日本人はいずれも「事実無根」「身に覚えがない」などと疑惑を否定した。コード名だけのエージェントのなかには、マスコミ関係者や大学教授、財界の実力者、外務省職員や内閣調査室関係者などが含まれていた。また、エージェントと接触するKGB側の工作員として、イワン・コワレンコ元KGB中佐・当時ソ連共産党中央委国際部次長、イェローヒン、グリヤノフ両KGB東京駐在部長(1975〜79年当時)ら8人の名前を挙げた。
(ウイキペディアより)

 親ソ的な新聞社や放送局だけではなく、世間的には反ソ的と思われていた産経新聞にエージェントがいたことが事態の深刻さを物語る。そんなことを頭の中に入れてTVのコメンテーターの発言や、新聞社の社説を見てみると、日本の国がすでに汚染されているのではないかという錯覚に陥る。もちろんコメンテーターが工作員であるという確信はないが、一度疑ってしまうと偏見・差別と言われようがなかなかそれを払拭できない。困ったものだ。