【団塊ひとり】沖縄を東洋のヴェネツィアに


 日本政府は否定しているが日朝高官がベトナムハノイで秘密協議があったと一部報道機関が伝えている。北朝鮮主導では困るが、そうでなければ安倍政権の現実的な側面が感じられて肯定できる。庶民が嫌う表と裏が乖離する行動は、ある意味で現実感覚を発揮する外交の真髄だ。

 思えばアメリカは日本の頭越しに好き勝手なことをしてきた。例えばニクソンショック。最終的に彼等は、自分たちの国益に合わないと判断すれば同盟国を軽視することを厭わない。彼等は常に国益を優先する。南ベトナムでもそうだった。したがって日本との同盟が永遠に続く保証はない。

 日英同盟を破棄したことが戦争に繋がった教訓を考えると、日米同盟を簡単に破棄することはできない。しかし、想定外のことを準備することは政治家の使命だ。イルカ猟に口を出し、靖国参拝に難癖をつけ、韓国の言うままに「慰安婦像」を建設するアメリカがいつ日本を裏切るか分からないからだ。

 独立国であることを維持するためには、最終的には自国の安全は自分たちが守ることが前提だ。日米同盟は必要だが、全てを相手にゆだねることこそ無責任だ。憲法9条の改正と、国防軍の創設は、オバマショックがいつ来ても慌てないようにするための最低の準備であり政府の責務だ。

 憲法9条の改正と国防軍の創設は、結果的にアメリカ軍基地の縮小を促す。真の独立国になるためには同盟国であっても外国に治外法権的な場所を提供すべきではないからだ。日米地位協定は見直されるべきだ。日本のアメリカ軍は優遇されすぎている。将来はアメリカ軍基地も返還されるか自衛隊の基地に転換してゆくべきだろう。

 返還された基地の一部は沖縄が東洋のヴェネツィアとなるように大改造をすべきだ。地理的にも沖縄は東洋のハブ基地になる可能性を秘めている。沖縄の基地の返還・縮小は阿倍首相の積極的平和主義とも関連する。独立国が自国を自国民で防衛するのは常識だ。日本は普通の国になるべきだ。沖縄県民は自衛隊の駐屯に拒否反応を示すべきではないだろう。

 阿倍首相は、小泉元首相のようにアメリカ追随外交を展開していない。阿倍首相の行動は世界各地にまたがっている。これは今までの首相には見られなかったものだ。そしてその多くが成功を収めつつある。少なくともアジアは中韓だけではないことを国民に実感させただけでも偉大な宰相と言うべきだ。