【団塊ひとり】少子高齢化社会にどう対処すべきか。必要な日本回帰。

 古代の採取生活を営んでいた社会で最初に「種」の機能を発見し、さらに「種」をまいた人は勇気がある。その人は目前の「飢え」の恐怖に負けることなく、約束されない「未来」に可能性を見いだそうとしたからだ。が、その結果、彼(彼女)は翌年には莫大な利益を手に入れることになった。「富」を手に入れるためにはリスクが必要だ。

 古代ローマ人は「絹」を求めて、中国にやってきた。中国人は絹の「輸出」を許可したが、その「生産技術」は教えなかった。現代の日本人は製品を輸出するだけでなく、自分たちの持っている知識や「技術」を提供してしまった。人の良い日本人は、結果として自分たちのクビを絞めてしまったのだ。

 アベノミクスで未来への展望が見えてきたとはいえ日本を取り巻く社会環境は未だに困難だ。中韓との関係修復がしばらく望めない今、ロシアに近づくのは政治的に悪手とは言えない。が、経済協力や安易な技術移転を優先すればそれは日本にとって良いこととは言えない。経済協力を優先し、技術移転をした中国や韓国が日本にどのような態度を示しているか思い出すことだ。技術を移転されるまでは低姿勢であった彼等は、今はそれをすっかり忘れている。中国は「新幹線技術」を自分たちの独自技術と言い張り各国に輸出しようとしている。外交にはギブアンドテイクの精神が必要だ。
その精神のない国には技術輸出は禁止すべきだ。

 少子高齢化の社会に突入する日本はやがて深刻な「労働力」不足に陥る。では日本は労働力をどのように調達すべきか。古代人は戦争によって得た奴隷を労働力とした。もちろん現代では不可能だ。奴隷解放後のアメリカは移民を受け入れることによって労働力不足を解消した。では、日本は。日本社会は奴隷でもなく移民でもない、新しい労働力を開発する必要があるのか、あるいは少子高齢化にあった生活スタイルに転換すべきなのか。今までとは異なった発想の転換が必要だ。

 今まで、労働力不足解消と市場拡大を目的として多くの日本企業が「技術」を持参金にして海外に進出した。その結果、一部の企業は繁栄したかもしれないが日本の若者は職を失い、多くの中小企業は安価な製品の「輸入」によるブーメラン効果に悩まされた。そして技術の空白化が進んでいった。海外進出は必ずしもベストの方法ではなかった。海外移転の結果、円安の恩恵はそれらの企業には及ばなかった。が、それに「気付いていない」企業はまだ多く存在している。

 介護や看護関係の人材も不足している。労働力不足を簡単に解消する方法の一つは、移民を受け入れることと思われている。が「移民」は一種の「ダモレスクの剣」で危険を伴う。アメリカの地方都市で建設される「慰安婦像」は韓国人移民の圧力によるものだ。日本が反日国の移民を受け入れれば、やがて日本中に「慰安婦像」が建設されるだろう。移民の増加は日本社会に利益と幸福をもたらすとは言えない。小泉元首相が帰化を簡単にしたのは問題だった。

 が、現実に必ず到来する少子高齢化の時代。若者の労働力をあてに出来なくなる可能性はもはや現実だ。移民を受け入れるべきか。それとも女性・高齢者、またはロボットを活用すべきか。それとも・・・我々の生活スタイルを根本的に改めるか。

 高齢化は避ける事は出来ない。しかし「少子化」は政策によって避けることが出来る。今から対策をたてれば、きっと今までに誰も思いつかなかった、斬新で良い解決法が見つかるはずだ。少子高齢化社会の「負」の側面だけを強調してはならない。積極的な「日本回帰」が必要だ。